着色料って安全?海外と日本の違いも解説

カテゴリ: 食のこと

着色料って安全?海外と日本の違いも解説

おせち料理に欠かせない、紅白のかまぼこ。
実はあのきれいなピンク色、着色料によってつくられていることをご存じでしょうか?

食品の色は、私たちの「食べたい!」という気持ちを大きく左右する要素。
今回は着色料について、種類や安全性、そして海外との違いをわかりやすく解説します。

着色料はなぜ使われるの?

着色料はその名の通り、「食品に色を加える」ための食品添加物です。
美味しそうに見せるだけでなく、季節や原料による色の差をなくして安定した商品にしたり、加工や加熱で失われた色を補ったりと、様々な理由から使用されます。

かまぼこ、福神漬け、カラフルなグミや飲料など、身近な食品で広く活用されています。

合成=危険?着色料の種類

日本の食品衛生法では、着色料は大きく2つに分けられます。

既存添加物(主に天然由来)

植物や昆虫など、古くから食経験のある素材から得られたものです。
1995年にリスト化されました。

  • コチニール色素(ハム・かまぼこ)
  • クチナシ色素(ゼリーや漬物)
  • パプリカ色素(ソーセージ) など

天然由来でも、必ずしも“完全に安全”とは言い切れません。
たとえばコチニール色素は、まれにアレルギーの原因になることがあります。

指定添加物

国が科学的データに基づき、一つひとつ安全性を確認して使用を認めたものです。

  • 化学合成による食用タール色素(赤色102号など)
  • 天然由来のβ-カロテン(ニンジン由来) など

「天然=安全、合成=危険」といういうイメージが強いですが、単純に分けられないことがポイントです。

海外で禁止なのに日本で使われているって本当?

この「海外では禁止」という話、よく耳にしますね。
になる方も多いのではないでしょうか?

これは、正確には「国ごとに安全性の基準が異なる」というのが実態です。

発端は、2007年の英国サウサンプトン大学の研究。
一部の合成着色料と保存料が、子どもの多動性などに関連する可能性を示唆したのです。

この結果を受け、EUでは2010年から、該当する着色料を含む食品に「子どもの活動や注意に影響を与える可能性があります」という警告表示を義務付けました。

一方で、日本の食品安全委員会は、研究の限界(複数の添加物を同時に与えているため原因を特定できない点など)もふまえ、「日本人の平均的な摂取量であれば安全性に懸念はない」と結論づけています。

具体例が「赤色102号」です。
日本では使用が認められていますが、かつてノルウェーなど一部の国では独自に禁止されていました(現在はEUと同様に条件付きで使用可)。

このように、国や地域によって規制は異なり、また見直されることもあるのです。

「無着色」なら本当に安心?

しかし、必ずしも「無添加=安全」とは言い切れません。
色がくすんで見えたり、退色が進んだりすると、逆に消費者が「傷んでいるのでは?」と誤解してしまうこともあります。

また、無着色でも品質保持のために別の添加物が使われる場合もあります。
大切なのは「着色料=悪」と決めつけず、なぜ使われているのかを理解して選ぶこと。

すべてを避けるよりも、「どの種類の着色料なのか」「どんな理由で使われているのか」を知ると、食品を選ぶ時により納得感が持てますね。