第2話:りんごにこんにゃく…あなたも試した?「単品ダイエット」時代
カテゴリ: ライフスタイル
「今日からりんごだけでダイエット!」
「お昼はゆでたまご3個。夜は抜きで!」
そんなセリフが流行語のように飛び交ったのが、1980〜90年代の“単品ダイエット”時代です。
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今でこそ「それ、ちょっと極端じゃ…?」と思ってしまいますが、当時は本気で信じられていました。
今回は、そんな少し懐かしい、でもどこか笑ってしまうダイエットブームをのぞいてみましょう!
「りんごダイエット」が全国に広まった日
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まず代表格は「りんごダイエット」。
食事をすべてりんごに置き換えるというシンプルな方法で、あっという間に全国に広まりました。
「りんごならヘルシー」「お通じにも良いらしい!」など、当時の雑誌やテレビでは“痩せる果物”として大絶賛。
1日3食りんごだけというチャレンジをした人も多かったようです。
とはいえ、りんごにはビタミンCや食物繊維はあるものの、たんぱく質や脂質はほとんどなし。
数日ならともかく、長期間続ければ栄養不足になるのは当然のこと。
それでも、「とにかく体重を減らしたい!」という気持ちが、多くの人を突き動かしていたんですね。
ゆでたまご・こんにゃく・寒天…まさかの主役たち
りんごの他にも、ユニークな単品ダイエットが続々と登場しましたね。
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ゆでたまごダイエット
たんぱく質が豊富で腹持ちも良い、という理由で人気に。
ただし、あくまで“ゆでたまご”に限るのが鉄則でした。
こんにゃくダイエット
ほぼゼロカロリーということで、大量消費されたこんにゃく。
おでんのこんにゃくや炒め物が「ダイエットメニュー」として登場することも。
寒天ダイエット
“お腹の中で膨らむ”効果が注目され、食前に寒天を食べるのが流行しました。
いずれも、単品で手軽・安価に始められることが魅力。
でも、栄養はどう考えても偏ってしますね。
200万部突破!ダイエット本ブームの幕開け

参照)青春出版社 https://www.seishun.co.jp/book/8845/
1983年に刊行された俳優・川津祐介さんの著書『こんなにヤセていいかしら?』は、なんと200万部を超える大ヒットに。
自らの体験を赤裸々に綴ったこの本には、減量の苦労や喜び、ダイエット中の“あるある”が満載。
リアルなストーリーが読者の共感を呼び、当時の女性たちの“痩せたい熱”をさらに高めました。
この1冊のヒットを皮切りに、次々とダイエット本が出版され、「芸能人がやっているから間違いない!」「〇〇式ダイエット、今すぐ試したい!」と、まさにブームが連鎖していったんです。
ダイエット=食事制限、が常識だった
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この頃、多くの人にとって「ダイエット=食べないこと」が常識のようになっていました。
「食べたいけど、食べたら太る」
「今日はこんにゃくしか食べてないから、明日はりんごにしよう」
そんな極端な食事法が、若い女性たちを中心に流行。
一方で、栄養不足から肌荒れや疲労感に悩まされる人も多く、やせ細った身体を“美”とする風潮が根強くあったのも事実です。
中には、拒食症や過食症といった摂食障害を抱える人も増加。
ダイエットが、単なる美容法ではなく、心と身体の問題に深く関わるものになっていった時代でもありました。
◆「他人の目を気にする時代」の美意識
1980年代は、「自分のために痩せたい」というよりも、「人からどう見られるか」を気にして痩せる人が多かったようです。
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- 「細ければ細いほど美しい」
- 「太っている=だらしない」
そんな言葉がメディアにあふれていた時代。
テレビや雑誌の特集には「マイナス10kgの奇跡!」といった見出しが並び、痩せている=成功、というイメージが定着していました。
見た目重視の美意識は、まさにこの時代の象徴だったのかもしれませんね。
次回、バブル崩壊?節約ダイエット時代
90年代に入ると少しずつ変化が見えてきます。
次回は、バブル崩壊後の“節約”ダイエット時代を一緒に追いかけてみましょう!
参考文献
川津祐介著『こんなにヤセていいかしら?』(1983年、KKロングセラーズ)