愛の妙薬?閲覧注意?フィリピン珍味「バロット」

カテゴリ: 食のこと

愛の妙薬?閲覧注意?フィリピン珍味「バロット」

世界のちょっと変な料理を探求しているこのシリーズ。

今回ご紹介するのは、まさにその代表格、フィリピンの屋台グルメ「バロット」です。
一体どんな料理なんでしょう?早速のぞいてみましょう!

バロットってなに?

バロットはアヒルの卵を孵化直前まで温めてから茹でたもの。
つまり、殻の中ではヒナが成長している状態なんです。
フィリピンではごく当たり前のソウルフードで、夜の屋台では「バロット!バロット!」と威勢よく売り声が響きます。
日本のゆで卵感覚で食べられる一方、「精がつく」として滋養強壮のイメージも強いんですよ。

どこが“ちょっと変”なの?

なんといっても特徴的なのは、その見た目。

殻を割って出てくるのは、黄身だけではありません。
血管が透けた卵黄、小さな骨や羽毛が混ざったヒナの姿…。
中にはクチバシが確認できるものまであるそう!

最初に見ると「衝撃映像かな?」と思ってしまうかもしれませんが、フィリピンではむしろ「成長している=良いバロット」とされているんです。

気になるお味は?

見た目にびっくりしても、味は意外とクセがなく、濃厚な旨味が特徴。
殻を割るとまず現れるのは、じゅわっと溜まったスープ。
バロット通はこれを最初にすすります。
鶏ガラスープよりも濃い、栄養たっぷりの滋味深い味わいが広がります。


ヒナの部分は成長度によって異なり、若いものは黄身がクリーミーで濃厚。
成長が進むと小さな骨や羽が食感として残り、鶏レバーや砂肝に近いしっかりした味になります。
塩やチリビネガーをかけて食べるのが定番で、冷たいビールのお供に最高だそう…!

屋台で味わうバロットのスリル

バロットにはユニークなエピソードがたくさん。

たとえばフィリピンでは「愛の妙薬」と呼ばれ、デート前に男性がこっそり食べてパワーをつけることもあるそうです。

また、お隣のベトナムやカンボジアでも親しまれていて、面白いのは国ごとに“好みの成長度”が違うこと。
ベトナムではまだ若いヒナの柔らかい食感が人気なのに対し、フィリピンでは羽や骨ができはじめた、よりしっかり育ったバロットが好まれる傾向があります。

そして食べるタイミングも特徴的。
フィリピンの街では、夜になると屋台にバロットが並ぶんです。
街灯の下で殻を割るその瞬間は、まるで小さな冒険に挑むようなスリルさえ感じられるんですよ。

日本でも食べられるの?

▲フィリピンの屋台でバロットが売られている様子

フィリピンに行けば屋台で気軽に食べられますが、日本では動物検疫の関係で生のバロットを輸入するのは難しいのが現実。
なかなか手軽に食べることはできなさそうです。

本場でしか味わえない珍味ですので、フィリピン屋台で見かけたらトライするのがいいかも?!

バロット、あなたは食べられる?

最初は「絶対無理!」と思う人も多いですが、一口食べれば滋味あふれる旨さにハマる人も少なくありません。
フィリピンを訪れることがあれば、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか?