第1話:私たちの 「痩せたい」はいつから始まった?
カテゴリ: ライフスタイル
「痩せたい…!」
皆さんも、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか?
このシンプルな願いは、現代の私たちにとってごく自然なもののように思えます。
では一体、日本人はいつから“痩せること”にこだわるようになったのでしょうか?
第1回は、「ダイエット」という言葉が今のように広まる以前、1960〜70年代にさかのぼってみましょう。
ツイッギー来日で“激やせ”ブームの到来!
1960年代後半、日本にとってダイエットの大きな転機が訪れました。
それが、イギリスのスーパーモデル・ツイッギーの来日です。
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当時の日本では、ふくよかな体型が「健康的で魅力的」とされていた時代。
そこに登場したのが、身長170cm、体重40kg台という超スレンダー体型のツイッギー。
細くてミニスカートを颯爽と着こなす彼女の姿は、まさに“異文化の衝撃”でした。
ツイッギーが来日した10月18日は「ミニスカートの日」とされるまでの社会的現象に。
日本中の女性がそのスタイルに驚き、憧れ、そして「とにかく痩せなきゃ!」という風潮が広まっていきます。
ツイッギーの登場は、ダイエットを「美容の手段」として意識し始めた日本人にとって、まさにターニングポイントだったのです。
痩せる手段は選ばない!「細ければOK」の時代?
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ツイッギーの来日に衝撃を受けたこの頃の日本では、「中身より、見た目さえ細ければOK!」という極端な価値観が社会に根づいていきます。
“痩せる”ことへの欲求がエスカレートしすぎて、強力な痩せ薬に手を出す人も…。当時の痩せ薬には、今では使用禁止となっている成分が含まれているものも多く、健康を害してしまうケースも少なくなかったそうです。
痩せるためには手段を選ばない――そんな風潮が、この頃にはすでにあったようですね。
“カロリー”が一般的な言葉に!

出典:https://hanamegane.com/?pid=21540292
1970年には、国民的歌手・弘田三枝子さんが『ミコのカロリーBOOK』を出版。
当時はまだ「カロリー」という言葉すら一般的ではなかった時代にも関わらず、この本はなんと150万部超えの大ヒットとなります。
このヒットにより、「食品にはカロリーがある」「摂取と消費のバランスが大事」といった今では当たり前の知識が、少しずつ世の中に広まっていきました。
ミコさん自身が食事制限によって劇的な減量に成功したことも多くの女性たちに希望を与え、「私もやってみよう!」という挑戦のきっかけになったようです。
家庭にフィットネス器具がやってきた!
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70年代後半には、「スタイリーボール」や「ルームランナー」といった、いわゆるホームフィットネス器具が大流行します。
これらの器具は「体を動かせば痩せられる!」という前向きなメッセージを含んでおり、健康志向の高まりとともに、家庭での運動習慣を広げるきっかけにもなりました。
とはいえ、使われなくなった器具が「洗濯物掛け」になってしまった家庭も少なくなかったようで……ダイエット器具の“あるある”は、今も昔も変わらないかもしれませんね。
日本人の「痩せたい」が大きく育った60〜70年代
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1960〜70年代は、「痩せること」自体が目標であり、そこに健康や栄養の視点はまだ薄かったように感じます。
そんななかでも、「ぶら下がり健康器」や「カロリーBOOK」など、自分の体と向き合う第一歩となる商品や書籍が誕生したことは、後の“健康的なダイエット”への道をつくったとも言えるでしょう。
この時代は、まさに“ダイエット元年”。
日本人の「痩せたい」が、社会の中で大きく育ち始めた時期だったのですね。
次回予告:りんご?こんにゃく?驚きの単品ダイエットブーム!
次回は1980〜90年代の「単品ダイエットの黄金時代」に注目!
りんごだけ、ゆでたまごだけ、こんにゃくだけ…?
今聞くとびっくりしてしまうような方法が、なぜあれほど流行ったのか――その背景に迫ります!お楽しみに!