第3話:やせる石鹸!? 身軽に手軽に、ながらダイエットの流行

カテゴリ: ライフスタイル

第3話:やせる石鹸!? 身軽に手軽に、ながらダイエットの流行

今回の「"痩せたい欲" は時代を跨ぐ」シリーズは第3話!

バブル崩壊後のダイエット模様を覗いていきましょう。

バブル崩壊後の節約ダイエット時代

1990年代、日本はバブル経済の崩壊で世の中が大きく変わりました。
華やかな贅沢ムードから一転、節約志向が強まり、消費の形も大きくシフト。


そんななか、ダイエットも「高価なジム通い」や「豪華なエステ」よりも、手軽に自宅でできる「プチ健康法」が熱く支持されるようになりました。

「おうちで、こっそり」――そんなキーワードがぴったりな時代です。

お財布にやさしく、家の中で無理なく続けられる方法に人々の関心が集まりました。

やせる石鹸がブームに!

この時代の顔ともいえるのが、「やせる石鹸」の登場です。

脂肪燃焼を促す成分を配合しているとされ、お風呂で使うだけでスリムになれる!?という夢のような商品でした。

効果の科学的な裏付けは乏しいものの、テレビや雑誌の口コミで話題沸騰。

特に忙しい主婦たちからは「これなら続けられる!」と大人気に。

今思うと少し不思議ですが、生活の中で痩せるという「ながら美容」「ながらダイエット」という考え方が芽生えたのは、この頃からなんですね。

ダイエットスリッパでながら運動

次に話題になったのが「ダイエットスリッパ」です。

かかとのない不安定な履き心地で、自然に足腰を鍛えられるという商品。
歩くたびに体幹や脚の筋肉を刺激し、無理なくシェイプアップできるとされました。

主婦や中高年の女性を中心に「日常生活の中でエクササイズしたい」というニーズにぴったり合ったこのアイテムは、まさに“ながら運動”の先駆け。

スリッパが売れるだけでなく、歩くこと自体がダイエットに結びつく意識も高まりました。

寒天と黒酢の大ブーム到来

90年代は「食べるダイエット食品」も続々登場。

なかでも寒天は、低カロリーで腹持ちがよく、食物繊維たっぷりのスーパーフード的存在でした。

寒天を使ったゼリーやスイーツのレシピが雑誌やテレビで紹介されると、翌日にはスーパーの寒天コーナーが品薄に!

また、黒酢も美容や健康効果が注目され、毎日少量飲む習慣が一大ブームに。

血糖値の上昇を抑える効果や疲労回復効果が期待され、多くの女性たちが試しました。

このように、「食べながらきれいになりたい」という願いが強かったのも90年代ならではですね。

中高年を支えたダンベル体操の普及

そして中高年の女性を中心に広まったのが「ダンベル体操」です。

軽いダンベルを使い、自宅でできる簡単な筋トレやストレッチを毎日続ける健康法。激しい運動が難しい世代でも続けやすく、筋力維持と代謝アップが期待できることから、人気が急上昇しました。

健康番組や雑誌で紹介されると、ダンベル体操用のセットが飛ぶように売れ、地域の集まりやカルチャースクールでも取り入れられるなど社会現象にもなりました。

メディアとともに増えたダイエットジプシー

この頃、健康や美容に関する情報は急増。
テレビの健康特集、女性誌のダイエット特集が連日のように組まれました。

すると、「これが痩せる!」と紹介される方法を次々に試す“ダイエットジプシー”も多数出現しました。

「簡単・早く・安く」が求められたこの時代、流行はあっという間に次の新商品や新方法へと移っていきます。

だからこそ、続けることの難しさも感じられたのかもしれませんね。

次回予告:2000年代、ダイエット元年の幕開け!

次回は、2000年代に突入。

ビリーズブートキャンプが流行したり、それぞれの健康意識が変化し始めた時代です。

なぜ健康志向は変わったのか?どう変わったのか?次回もお楽しみに!