英雄の胃袋は15分で満たされた!?ナポレオンに学ぶ“超合理的”な食卓術
カテゴリ: 食のこと
ヨーロッパの歴史を大きく動かし、フランス皇帝にまで上り詰めた男・ナポレオン・ボナパルト。
.jpeg?w=640&h=448)
その桁違いの行動力と勝利への執着は、じつは「食」にも表れていました。
なんと、彼の食事時間はたったの15分!
「余の辞書に不可能の文字はない」という有名な言葉も、そんなストイックな食習慣から生まれていたのかも…?
今回は、せっかちで合理的、でもどこか人間味あふれる英雄・ナポレオンの「食の流儀」を、史実をもとにのぞいてみましょう!
1. 勝利の味は即席だった!?「チキン・マレンゴ」
.jpeg?w=640&h=448)
ナポレオンの食卓を語るなら、まずはこの料理から。
1800年の「マレンゴの戦い」に勝利した直後、空腹を訴えたナポレオンに対し、料理人が現地で手に入るもので即席料理を作りました。
それが、鶏肉、タマネギ、ニンニク、オリーブオイルなどを炒め煮にし、パンを添えたシンプルな一皿。これが「チキン・マレンゴ」です。
ナポレオンはその味を気に入り、以後“勝利の縁起物”として愛したと言われています。
また、後に料理人がトマトやザリガニを加えて洗練させようとしたところ「余計なものを加えると縁起が悪い」と拒んだという逸話も。
勝利の記憶そのものにこだわった、ナポレオンらしいエピソードですね。
2. 革新を食卓にも。「ジャガイモ」と「愛しのシャンパン」
.jpeg?w=640&h=448)
合理主義者のナポレオンは、新しいものを積極的に取り入れるタイプでした。
その象徴が「ジャガイモ」です。
当時のフランスでは、ジャガイモは“豚のエサ”とまで言われていたのですが、農学者パルマンティエの努力によって食材としての価値が見直され始めていました。
ナポレオンはその栄養価や栽培のしやすさに注目し、兵士たちの重要な食糧として活用。
ジャガイモは、軍の体力と士気を支える食材として重宝されたんですね。
一方で、美食家の一面もあったナポレオン。
特にお気に入りだったのが、あの有名な「モエ・エ・シャンドン」のシャンパン!
戦地にまで取り寄せて、勝利のたびに祝杯をあげるのが楽しみだったそうです。
実用的なジャガイモと、贅沢なシャンパン。
このギャップが、なんとも彼らしいですね。
3. 食事も戦略のうち?「15分で完食」
.jpeg?w=640&h=448)
ナポレオンの食事スタイルは、とにかくスピーディー。
「食事に時間をかけるのは、人生の無駄だ」と考えていたらしく、1回の食事にかける時間はわずか10〜15分ほど!
熱々のスープも冷ますヒマなくかき込み、部下たちが前菜に手をつけたころには、彼はすでに食べ終えて立ち上がっていた――なんて話も残っています。
なぜそこまで急ぐのか?
それは、彼の頭の中が常に“次の戦略”でいっぱいだったから。
食事の時間さえ、彼にとっては「次の勝利への準備時間」だったのかもしれませんね。
4. 世界を変えた?「缶詰」の原点をつくった男
.jpeg?w=640&h=448)
ナポレオンの食にまつわる最大の功績といえば、なんといっても「保存食」の進化です。
遠征が続く中、兵士たちの食料をどうやって保存・運搬するかは大きな課題でした。
そこでナポレオンは、「新しい保存技術を開発した者に懸賞金を与える」と発表します。
この挑戦に応じたのが、菓子職人のニコラ・アペール。
彼が開発したのは、調理した食材をガラス瓶に入れて加熱・密封するという“瓶詰”の技術でした。
この画期的な発明により、1810年にアペールは賞金を獲得。
やがてこの技術はイギリスで金属缶に応用され、現代の「缶詰」へと発展していきます。
ナポレオンの「勝利への執念」が、まさか200年後の私たちの食卓にまでつながっていたなんて…歴史って面白いですね!
ナポレオンの“食”は、生き方そのもの
ナポレオンの食卓をのぞいてみると、そこには彼の信念と哲学が詰まっているようです。
戦場の思い出を大切にし、ジャガイモで兵士を支え、シャンパンで勝利を祝う。
そしてわずか15分で食事を終え、未来のために保存食の技術を後押しする――。
そのどれもが、ただの“食事”ではなく、“戦略”だったのかもしれませんね。