弥生から令和へ!おにぎり2000年の旅

カテゴリ: 食のこと

弥生から令和へ!おにぎり2000年の旅

忙しい朝にパクッ、お弁当や行楽のお供にも大活躍の「おにぎり」。
海苔でくるっと包まれた、あの小さなごはんには、なんとも言えないほっとする美味しさがありますよね。

でも、そんな身近なおにぎり、いったい「いつ」から食べられていたのか、ご存じですか?
今回は、日本人の心に寄り添ってきたおにぎりの、ちょっと意外で奥深〜いルーツをたどってみましょう!

日本最古のおにぎりは、なんと2000年前!?

「おにぎりって、日本人なら昔から食べていたんじゃないの?」
…と思ったあなた、正解です!

実はその歴史、なんと弥生時代にまでさかのぼるんです!
1987年、石川県の杉谷チャノバタケ遺跡から出土した炭化米の塊
「チマキ状炭化米塊」と呼ばれており、これが“日本最古のおにぎり”とされています。

手で握った形跡も残っているんだとか。

出典:中能登町観光協会 https://nakanotokanko.com/introduce/sugitani-chanobatake-iseki/


当時の人々が、炊いたごはんをギュッと握って携帯食にしていたと思うと、なんだかロマンを感じます。
農作業や移動中にもサッと食べられる手軽さ、今も昔も変わらず大事だったんですね!

戦国武将もパクッと!「にぎり飯」はエネルギー源だった

中世・戦国時代になると、おにぎりはますます大活躍!
戦国武将たちが戦場で食べた“携帯食”としても親しまれていたんです。

あの武田信玄の軍勢も、出陣前に「にぎり飯」を準備していたっていう記録があるほど
具は塩や梅干しなど、保存性が高いものが中心で、腹持ちもバッチリ。
まさに、戦のエネルギー源だったんですね。

また、江戸時代には「おにぎり弁当」なるものも登場します。
竹の皮に包まれたごはんに、漬物や焼き魚などを添えたスタイルで、現代のお弁当の原型ともいえる存在だったそうですよ。

炊飯革命がおにぎりを家庭の味に

では、なぜおにぎりがこんなにも家庭の定番になったのか?
そのヒミツは、炊飯技術の進化にありました!

明治から大正時代にかけてガス釜や電気炊飯器が発明され、1970年代になると多くの家庭で炊飯器が利用されるようになりました
ボタン一つで簡単においしいごはんが炊けるようになり、食生活は大きく変化しました。

炊きたてのごはんを手軽に握ることができるようになり、自然と「おにぎり」は日常の定番メニューになっていったのです。

さらに、この頃からお弁当文化も本格化
学校や会社で持ち運びやすく、冷めても美味しいおにぎりは、どの世代にも愛される“手軽でおいしい味方”として定着していきました。

パリッと革命!コンビニおにぎりの登場

そして1978年、ついにおにぎり界に衝撃のイノベーションが!
今ではお馴染み、セブン-イレブンから登場した“コンビニおにぎり”です!


これまでは手作りが当たり前だったおにぎりが、なんとパッケージ入りに。
しかものりがごはんにくっつかない“パリッと海苔”の分離包装
この特許技術のおかげで、時間が経っても海苔がしんなりせず、まるで握りたてのような食感が楽しめるようになったんですね。

この「進化系おにぎり」は当時かなり画期的。
たちまちヒットし、やがてコンビニ各社が多彩な味や具材を展開するようになりました。

あなたの“推しおにぎり”はどんな味?

こうして見てみると、おにぎりって本当に“進化し続ける食べもの”なんですね。
2000年前からずっと、日本人の暮らしに寄り添いながら、素材も技術もどんどんアップデートされてきました。

最近では、SNSでも「具だくさんおにぎり」や「おにぎらず」などが注目を集めており、自分好みのアレンジを楽しむ人も増えています。
さらには海外でも「rice ball」として人気が広がっていて、日本食の魅力を伝える存在にもなっています。
今度おにぎりを手にしたときには、ちょっとだけその長い歴史にも思いをはせてみてはいかがでしょう?

参考文献

中能登町観光協会 https://nakanotokanko.com/introduce/sugitani-chanobatake-iseki/