お茶のラベルに「ビタミンC」?その正体とは

カテゴリ: 食のこと

お茶のラベルに「ビタミンC」?その正体とは

スーパーやコンビニで売っている麦茶や緑茶飲料のラベル、ちょっとよく見てみてください。

「ビタミンC(酸化防止剤)」という表記があることに気づいたことはありませんか?

「ビタミンCって健康にいい栄養素じゃなかった?なぜお茶に“添加”されてるの?」と、ちょっと不思議に思った方もいるかもしれません。

今回は、そんな身近な“添加物”であるビタミンCの正体と、その意外な役割について、やさしく解説していきます!

このビタミンCは「酸化防止剤」!

結論から言うと、飲みものに使われるこのビタミンCは、「酸化防止剤」としての役割を果たしています。

具体的には「アスコルビン酸」という成分で、厚生労働省から食品添加物として使用が認められているものです。

緑茶や麦茶には「カテキン」や「ポリフェノール」などの成分が含まれていますが、これらは酸素と反応して茶色く変色しやすい性質があります。
そのままでは風味も見た目も劣化してしまうため、ビタミンCを加えることで酸化を遅らせ、風味や色を保っているのです。

つまり、劣化を防ぐ“酸化防止剤”としての役割を果たしているというわけですね。

健康への影響は?安全なの?

「添加物」と聞くと、「体に悪そう…」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、アスコルビン酸はもともと人間の体にも必要なビタミンの一種。過剰に摂取しない限り、基本的に健康への影響は心配ありません。

しかも水に溶けやすい「水溶性ビタミン」なので、体内にたまりにくく、余分な分は尿として排出されます。

日本では1日の摂取上限は厳密には定められていませんが、食品安全委員会の評価でも、通常の食生活における摂取で健康リスクは低いとされています。

ただし、サプリメントなどで大量に摂ると、まれに下痢や腹痛などの症状が出ることも。あくまで“適量”を守ることが大切ですね。

合成ビタミンCって、天然のビタミンCと同じなの?

麦茶やお茶に使われるビタミンC(アスコルビン酸)は、トウモロコシなどを原料とした「発酵法」で作られる合成品が一般的です。

「合成」と聞くと少し不安になりますが、化学構造としては天然のビタミンCとまったく同じ。
身体に取り込まれたときの働きも変わりません。
つまり、合成か天然かの違いはあっても、「栄養素としての質」は同じなんです!

ただし、製造工程や原材料の透明性などには関心が高まっており、今後も注目される分野となりそうですね。

表示ラベルにはルールがある!

日本では、添加物を使用する場合には「何の目的で使われているか」を明記するルールがあります。
たとえば、「酸化防止のために使っているビタミンC」であれば、「酸化防止剤(ビタミンC)」と記載されることが多いのです。

一方で、レモン果汁など食品そのものに含まれるビタミンCを加えた場合は、表示義務がないケースもあります。
つまり、「ビタミンCが入っている=添加物」ではなく、どう使われているかによって表示されるかが決まるというわけですね。

表示ラベルは“小さなヒント”の宝庫

食品のラベルには、見えない裏側の工夫や安全対策がぎゅっと詰まっています。
これからは麦茶を手に取るとき、ぜひラベルの裏側もチェックしてみてください!